ビタミンC(前編)

ビタミンCサプリよりも食事から摂る方が良い理由と、摂取方法のポイント

ビタミンCは、美容や健康に役立つビタミンとして広く知られています。ビタミン類の中でも知名度は最も高い部類に入るのではないでしょうか。免疫力アップや美肌効果を期待して「ビタミンCは積極的に摂取したほうが良い」と考えている方も多いかもしれませんが、実際のところ、日本人の多くは通常の食生活でビタミンCをそれなりに摂取できているようです。今回は、ビタミンCの基礎や日本人の実際の摂取状況、不足や過剰摂取について現実的な視点で考えてみたいと思います。


1. ビタミンCの主な働き

ビタミンCは水溶性で体内に蓄えにくく、毎日摂取が必要なビタミンです。主な働きは以下のようになります。

  • 抗酸化作用:細胞の酸化を防ぎ、老化防止や免疫機能の維持に役立つとされています。
  • コラーゲン合成の促進:皮膚や血管の健康維持に必要なコラーゲンの生成を助けるそうです。
  • 鉄の吸収促進:特に植物性の鉄(非ヘム鉄)の吸収率を高める効果があると考えられています。

ビタミンCは健康維持にとって大切な栄養素とされていますが、一般的には食事で摂取できていることが多いようです。


2. 日本人のビタミンC摂取状況は?

日本の「国民健康・栄養調査」(2021年)によると、日本人成人のビタミンC平均摂取量は約100mgです。これは厚生労働省が推奨する成人のビタミンCの摂取基準(1日あたり100mg)とほぼ同じで、一般的な食事で推奨量が満たされていることがわかります。日本の食生活では、野菜や果物を日常的に摂る習慣があり、こうした食材から自然とビタミンCが摂取できているようです。

ただ、20代〜30代の若年層や特定の生活スタイル(喫煙者や極端に野菜・果物の摂取が少ない人)では不足傾向が見られるとされており、ビタミンC摂取がやや不足しているケースもあると考えられます。このため、普段の食事に野菜や果物を意識して取り入れることが推奨されています。


3. ビタミンCを効率よく摂るためのおすすめ食材

ビタミンCは、新鮮な野菜や果物に多く含まれており、特に以下の食材が豊富です。

  • 赤ピーマン:100gあたり170mgも含まれ、加熱しても比較的ビタミンCが失われにくいそうです。
  • ブロッコリー:100gあたり120mg含まれ、蒸すとビタミンCの損失を抑えられます。
  • キウイフルーツ:1個(約60g)で71mgのビタミンCが摂れます。更に、皮ごと食べればさらに豊富です(⋯とは言うもののハードル高いですよね)
  • みかん:1個(約100g)に約35mg含まれており、手軽に摂取できる果物です。

という訳で、カルシウムとは違い、おなじみの食品で摂取量も十分ではあるのですが、いつものランキングも次回扱いたいと思います。

ビタミンCは熱や光に弱いことから、調理方法や保存法に工夫が必要とされています。例えば、野菜は生で摂るか、蒸して調理することでビタミンCの損失を抑えられるようです。


4. ビタミンCサプリは本当に必要?

ビタミンCサプリメントは便利ですが、通常の食事で不足していない場合、基本的には必要ないとされています。特に、ビタミンCは水溶性で体内に貯蔵されにくいため、必要以上の量を摂取しても尿から排出されてしまいます。そのため、サプリメントに頼らず、自然な食品から摂る方が健康的で経済的かもしれません。

ただし、喫煙者や極度のストレスを感じやすい方は、ビタミンCが消耗されやすいため、追加の摂取が勧められるケースもあるようです。また、偏食がちな方や、野菜や果物をほとんど摂らない方はサプリメントで補うのも一つの方法と考えられます。


5. ビタミンC不足と過剰摂取のリスクについて

ビタミンC不足による深刻な健康問題は、日本ではほとんど見られないようですが、ビタミンCの摂取が不足すると疲労感や肌トラブルが生じることもあるとされています。一方で、1日に2,000mg以上のビタミンCを摂取すると、まれに胃腸への負担がかかることがあるため、適量の摂取が大切とされています。

また、ビタミンCは体内で蓄積されにくいため、一度に多量を摂取するよりも、毎日少しずつ摂る方が効果的とされます。


まとめ

日本人の多くは通常の食生活で十分にビタミンCを摂取できているようですが、20代〜30代の若年層や、喫煙者、ストレスが多い人には不足が見られることもあるようです。特に普段から野菜や果物が少ない方は、意識してビタミンCを含む食材を取り入れると良いかもしれません。

ビタミンCの過剰摂取も効果が薄いため、食事から適量を摂ることを目指して、無理なく健康をサポートしてみてはいかがでしょうか。

⋯とまとめてしまいましたが、後編では一応いつものランキングを求めてみます。

(後編へ続く)

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